"人間力"とは 3

期待され、そのように設計された道具力のみを出させきるのには、問題だらけの状況は、その力の所有者が人間であるということを考えると、むしろ妨げとして作用しかねないからです。


つまり、道具力発揮の障害となるようなものは取り除かれ、それ向きに整然となるように化粧されて、状況が人びとに与えられてきたのです。


ロボットに対するそれと同じようにです。


状況は、より上、あるいは中枢のスタッフが認識していればよかったのです。


過保護と言われるものも、これと同じです。


幼児を砂場で遊ばせるのに、傍に救急箱を用意し、先に自分が砂場に入ってくぎや缶のリップなどの不純物をすべて取り除くというようなお母さんが増えているそうです。


親の設計通りに整然と育つことを願うがあまり、愛するわが子と状況との相互作用を断ってしまうのです。


これでは、動物園のおりの中の動物と同じではないでしょうか。


まさに、人工化された贋の状況の中で生かされているのです。


別言すれば、その気を出さなくてもよい、自らは動かなくてもよい状況が用意されてしまっているということです。

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