中国指導部の自信と危機感 9
銚依林副首相(74歳)とコンビを組み、引き締め1本槍の経済運営をしてきた李鵬首相も、改革派寄りに微妙に軌道修正しはじめています。
「石油は基本的にはハード・カレンシーと同じだ」と述べ、国策で低価格に抑えてきた国内石油価格の調整(値上げ)にも近々着手する積極的な考えを示しはじめています。
「経済の調整はインフレ防止のためのやむをえない措置である」と釈明、「機会をつかんで改革を深化させよう」とも主張しています。
実は、天安門事件以降のこの2年間、中国経済は「治理整頓」(整理整頓)と呼ばれる引き締め策で、インフレこそ収束できたものの「オーバー・キル」ともいえる硬直状態に陥っていました。
たとえば、国家財政収入の3分の2を支えるはずの国営工業企業の実に3分の1が、大量の在庫を抱え赤字になっているのです。
50年代のソ連型計画経済に忠実に従ってきた東北地方の工場企業に特に赤字が多いです。
「東北現象」という言葉さえ国務院関係者の間ではささやかれていました。
政府が90年に国営企業に支出した赤字補助金は578億元に上っています。
国家財政を支えるために発行した赤字国債の発行残高はいまや1600億元。
外国銀行関係者は、このまま財政赤字が続けば、外債よりも国債の問題が深刻化すると指摘します。